作業手順書作成方法(リスクアセスメント作業手順書)

■作業手順とは
不安全な状態や不安全な行動を排除した作業行動を示すもの。
■作業手順書とは
・手順書は、作業者に作業行動の順序をわかりやすく示すと共に各作業のやり方と急所を表すものでなくてはならない。
・手順書は実際の作業が無理なく、早く、正確かつ安全に実施可能とすることを目的としている。また、作業手順は理想作業環境下での作業行動ではなく、実際の作業現場、実際の作業に則して作成されなければその効果は十分に期待できない。
・手順書どおりに行うことで事故が起こらないか、確率は非常に低くなる。手順書どおりに行わないために事故が発生することがある。
・理想的には手順書は整理、整頓された環境下での定常の場合の手順となるため、整理整頓されてない等の非定常の場合の対処を盛り込む必要がある。
・一般に事業所内での作業手順書の作成は、作業を十分に習得した作業者が行い、複数のチェックを受けたのち、承認され、利用、管理されている。そして、形骸化しないよう事業所の安全衛生の推進の仕組みの中で改定がされており、より精査されたものとして維持されるよう努力されている。(能力開発研究センターPDFより)
2.作業手順書の作成要領−1

1)作業手順書とは
個々の作業を 1.安全に、2.確実に、そして 3.能率よく行うために最も合理的な流れと方法を書面にしたものです。つまり、作業のムリ、ムダ、ムラを除き、工事の品質を高め、安全に作業するための”取り決め”ともいうべきもので、トラブルが発生した場合には、その工程の「作業手順書」の有無、内容、作業員の理解度が追求されます。
2)作業手順書の項目はどのようにすればいいか
 作業順序  要  点  危険予知  安全対策  実施者
 最も合理的、安全な作業の順序  仕事がしやすく、安全が確保された作業のやり方のコツや要領  作業の急所の中で、どんな危険があるかを前もって出しておく  出てきた危険項目への対応策を立てる  

3)作成は誰が適当か
日々の作業を単位とするものだけに、作業を指揮する立場にある職長クラスが中心になります。但し、職長だけがその内容を把握していても意味をなさず、関係作業員全員がよく理解し、その通り、実行できることが重要です。

4)関係者への周知徹底
無知による事故、勝手な判断による災害を防ぐ意味で、非常に重要なことです。

5)作業標準書と作業手順書
「作業標準」の方はJIS Z 8141で「製品または、部品の各製造工程を対象に、作業条件、作業方法、管理方法、使用材料、使用設備、作業要領に関する基準を規定したものである」と定義されているようですが、我々実務者レベルでは同じものと考えても支障ないと思います。
作業手順書は手順を基本に書きますが、標準書では構成部品も記載されているようです。

3.具体的作成方法
1)作業条件をつかむ
 ・どんな作業なのか、作業内容をよく知る。
 ・作業は、どこから始まり、どこで終わらせるかを明確にする。
 ・その作業にはどんな機械・器具や設備が必要か把握する。
 ・機械操作や作業について、資格のある作業者が必要なのか把握する。

2)作業順序を組み立てる
 ・単一作業ごとに仕事の順序を並べていく。(準備作業、本作業、後片付け作業)
3)急所(ポイント)を記入する
 ・それぞれの作業段階で
  a.災害事例、ヒヤリハットなどの経験から、どんな危険が考えられるか、安全対策にはどんなものがあるか
  b.仕事がし易いか、また、無理をせずに実行できるか。
  c.仕上がりがうまくいくが。
  d.仕事をダメにしないか。
等の作業の急所(ポイント、コツ)を記入しておく。

4)全員参加で見直しをする
 ・でき上がったものをもとに
  a.具体的、実際的か
  b.順序はよいか
  c.ムリ、ムダ、ムラがないか
  d.わかり易いか
  e.動作に間違いはないか
  f.安全か
  g.もっと良い方法はないか
 等、みんなの意見を聞き、必要な手直しを行い、充実させて完成させる。

5)作業標準の実行
 ・完成したものを実際の作業で実行していき、必要に応じてさらによいものへと

6)よい作業手順書の作り方・活かし方の着眼点
 @危険度と作業頻度の高い作業を優先して、作業手順書を作成する。
 A職場のみんなの意見を反映した作業手順書作りに努める。
 B作業の実態に合った、作業がしやすい内容にする。
 Cムダ・ムラ・ムリがなく、安全とともに生産・品質にも役立つ内容にする。
 D作業ごとに1枚の作業手順書にまとめ、見やすい様式にする。
 E手順は作業の種類に応じた粗さに分解して、名詞と動詞で表現する。
 F急所は大切なものを絞り込んで、副詞的に表現する。
 Gできるだけ数値を入れ簡潔で、具体的にわかりやすく表現する。また、必要な部分は図を活用する。
 H作業手順書を分類整理して、取り出しやすいように仕分けて保管する。
 Iいろいろな作業の種類に応じて効果的に活用する。
 J事故や災害が発生したときや、設備や作業方法が変更したときに見直す。

4.災害が起こった後、
 ・作業手順書を定めていなかった。
 ・定めていたが形式的なものであった。
 ・定めていた作業手順書を守らなかった。
などと、いったことがよく指摘されます。
安全で効率的な作業ができる「作業手順書」の作成を心掛けてください。

5.とは言っても、実際作るとなると、それぞれ本来の仕事を持っていますし大変です。まして、白紙の状態からではなおさらです。作成するにはプロの手助けを借りなくてはなりません。 
そこで、サンプルの事例があれば、それに手を加えて自分の環境にあったように修正することで比較的簡単です。当サイトでは、そのような方のために事例を用意しました。これを活用して役に立つ作業手順書を作り上げてください。ただし、それを本当に自分たちのもの、つまり魂を入れなければ、何の意味もありませんし、安全を守れるものではありません。


6.作業手順書と労働安全衛生法など

1)安全衛生教育
 a.雇い入れ時の安全衛生教育
  事業者は新たに作業者を雇い入れたとき、新規に入場したとき、又は作業者の作業内容を変更したときは、安全衛生に関し、下記各号の事項について教育を行わなければならない。

  ・機械、原材料等の危険性または有害性及びこれらの取り扱い方法
  ・安全装置、保護具の性能及び取り扱い方法
  ・作業手順に関すること
  ・作業開始時の点検に関すること
  ・整理、整頓及び清潔の保持に関すること
  ・事故時における応急措置及び退避に関すること
  ・上記各号のほか、従事する業務に必要な安全または衛生に関すること
ただし、職業訓練を受けた者等で十分な知識および技能を有していると認められる者に対しては教育項目の全部または一部を省略することができる。(安衛法59条、安衛則35条)

b.特別教育を必要とする業務
事業者は危険または有害な業務に作業者をつかせるときは、安全衛生のため特別教育を行わなければならない。
特別教育の業種 (省略)

c.職長等の安全衛生教育
建設業等政令で定める特殊の業種にあっては、新任の職長、作業長及び班長等で作業者を直接指導、監督する者(作業主任者を除く)に対し次の事項について教育を行わなければならない。

 ・作業方法の決定及び作業者の配置に関すること
 ・作業者に対する指導又は監督の方法に関すること
 ・危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること
 ・異常時等における措置に関すること
 ・その他現場監督者として労働災害防止活動に関すること
    (職長等教育科目と時間数は省略

労働安全衛生法では下記条文のように安全衛生教育を義務付けている。 したがって作業手順書を作成しておく必要がある。
(第59条)

事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない

2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。

3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための「特別の教育(特別教育)を行なわなければならない。

(60条)

事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
    1)作業手順の定め方
    2)作業者の適正な配置の方法)
 二 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
 三 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。
労働安全衛生規則 第四章 安全衛生教育(第三十五条−第四十条の三)

第三十五条(雇入れ時等の教育)

事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければならない。ただし、令第二条第三号に掲げる業種の事業場の労働者については、第一号から第四号までの事項についての教育を省略することができる。
一 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。
二 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。
作業手順に関すること。
四 作業開始時の点検に関すること。
五 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。
六 整理、整頓(とん)及び清潔の保持に関すること。
七 事故時等における応急措置及び退避に関すること。
八 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項
2 事業者は、前項各号に掲げる事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができる。


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