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g.配管施工の一般事項 (1)配線管類の内法断面は将来の通線量に見合ったものとする。 (2)管の敷設に当たっては建物の構造強度に支障のないような場所を選ぶ。 (3)管の端部切り口はバリのないように滑らかに仕上げる。 (4)配線の一区間の屈曲箇所は 4か所以下かつ曲げ角度の合計 270°以下とする。 (5)配線管の曲げ半径は内径の6倍以上かつ90°以上を原則とする。 (6)隠蔽配線管類を構造部に取り付ける場合はサドルやハンガーを使用し1.8m以下の間隔とする。コンクリートに打ち込まれる場合は鉄線で鉄筋に固定し型枠面より離す。 (7)露出配管は壁面及び天井面に美観を考えて室内の構成面に平行に敷設し、固定はサドルやハンガーを使用し1.8m以下の間隔とする。 (8)露出配管を壁面あるいは天井面から離して敷設する場合は、金属製の固定金物や固定枠を使用して堅固に取付ける。 (9)露出配管の雨掛りの場所は内部に水が侵入しないように管端は下方に立ち下げる。 (10)ボックスとの接続部の配線管類は構造部に固定する。 (11)空配管には通線用のビニル被覆鉄線を収容する。 (12)管の接続はネジ付あるいはネジ無しカップリングを使用し確実に接続する。 (13)管とボックスや分電盤との接続に当たっては、ねじ込み接続とするか、あるいは接続部の両面をロックナットで締め付け、管の端部にはブッシングを取付ける。 (14)金属配管を接地する場合は管とボックスや分電盤との接続にはボンド線で接続を行う。 (15)水掛り部あるいは多湿な部位の金属配管の接続部は豊亜鉛塗料などで防錆処理を行う。 h.合成樹脂管の施工. (1)合成樹脂管類を構造部に取り付ける場合はサドルやハンガーを使用し1.5m以下の間隔とする。コンクリートに打ち込まれる場合は鉄線で鉄筋に固定し型枠面より離す。 (2)露出配管は、壁面及び天井面に美観を考えて室内の構成面に平行に敷設し、固定はサドルやハンガーを使用し1.5m以下の間隔とする。 (3)管相互の接続はTSカップリングを使用し、カップリング内面にはビニル用接着剤を使用して確実に接続する。 (4)管とボックス類の接続に当たってはハブ付のボックスか、ボックス用コネクタで配管を固定する。 (5)露出配管の接続部は3mごとに伸縮カップリングを使用する。 i.可とう電線管の施工. (1)管の曲げ半径は原則として内径の6倍以上とするが、管の取外しが可能な場合は 3倍以上とする。 (2)可とう電線管を構造部に取り付ける場合はサドルやハンガーを使用して1m以下の間隔で固定し、管の接続部、管端部、及び管とボックス類の接続部の近傍も固定する。 (3)管とボックス類の接続に当たっては、ボックス用コネクタを使用して配管を固定し、管の端部にはブッシングを取付ける。 (4)接地用ボンドは前項 g.(14)による。 j.合成樹脂線ぴの施工 (1)合成樹脂線ぴは屋内の見え掛かりの場所又は蓋の開閉可能な場所とし、床や損傷し易い突出部には設けない。 (2)合成樹脂線ぴは下地に約450mm 間隔にネジ止め、あるいは接着材併用によりねじ止めとする。端部及びコーナー部は 50mmおよび 100mmの位置でネジ止めとする。 (3)合成樹脂線ぴは温度による伸縮を考えて寒冷期にはわずかな隙間を明けて取付ける。 (4)合成樹脂線ぴにコンセントやスイッチを取付ける場合は専用の器具を使用する。 k.金属ダクトの施工 (1)金属ダクトは屋内の見え掛かりの場所又は蓋の開閉可能な場所に使用する。 (2)金属ダクトおよびその支持金物は、インサートボルトあるいはあと施工アンカーなどにより水平部では2000mm以下、垂直部では3000mm以下で建物躯体に確実に固定する。 (3)ダクト相互およびダクトと分電盤・配電盤の接続は隙間なく突合わせ、機械的かつ電気的に確実に接続する。電気的な接続が不確実な場合には盤とダクトをボンド線で接続する。 (4)ダクト内部の配線は整然と並べ、端部および分岐部は回路名・行先等を表示する。 l.ケーブル配線およびケーブルラックの施工 (1)ケーブルはその断面に適合するサドルあるいはステープルで 1m間隔以下で下地に固定する。ただし屈曲部では500mm以下、ケーブル相互およびケーブルとボックス・器具類の接続部は接続位置の近傍で固定する。 (2)梁下の渡りなどでケーブルの固定間隔が2000mmを超える場合は、ケーブルを支持する補助材により支持する。 (3)ケーブルを隠蔽部に収容する場合で、ケーブルに外部より力がかからない場合は、転がし配線とすることができる。 (4)ケーブルラックにケーブルを搭載する場合は、1000mm以内に支持枠、結束線などを用いて整然と固定する。 (5)ケーブル相互の接続に使用するボックス類はケーブル量に対して適切な大きさのものとする。 (6)発熱の恐れある電力ケーブルは積み重ねを行わない。 (7)ケーブルの曲げ半径は外径の6倍以下とする。 (8)ケーブルが構造材を貫通する場合は適当なシース材で保護し、シース材を適当な方法で固定する。 (9)鋼製ケーブルラックは、建物の構造体にインサートボルトあるいはあと施工アンカーボルトにより、水平部で2000mm間隔、垂直部で3000mm以下の間隔に固定する。 アルミニウム合金製のケーブルラックでは、水平部で1500mm間隔、垂直部で2000mm以下の間隔に固定する。 m.フラットケーブルの施工 アンダーカーペット配線に使用する電力用フラットケーブルの施工は、JIS C 3652「電力用フラットケーブルの施工方法」による。 n.分電盤の設置 分電盤の外枠は仕上げ面の位置を考えて構造体あるいは型枠に強固に取り付ける。 o.位置ボックスおよびジョイントボックス等の設置 (1)位置ボックスおよびジョイントボックスの大きさ・形状は表−3による。 表−3 ボックス類の大きさ・形状(省略) (2)スイッチ・コンセント・照明器具等の取り付け位置には位置ボックスを設ける。位置ボックスに照明器具を取付ける場合は重量による引抜きにたえるように取付ける。 (3)配管配線よりケーブル配線に移行する部分にはジョイントボックスを設置する。 (4)プルボックスの大きさが長辺200mm以下では 2か所、これを超える大きさの場合は、4箇所でネジ・ボルト等で構造体に固定する。 (5)ボックスは仕上げ面に対して埋込まれ過ぎないようにする。深くなり過ぎた場合は継ぎ枠を設ける。 (6)プルボックス内で防災用配線と電力用配線を共用するプルボックス内では、防火的な隔壁を設けるか、あるいは防災用配線を耐熱性のテープなどで保護する。 p.ケーブル類の防火区画貫通 ケーブル類の防火区画貫通は建築基準法および消防法の規定に適合するものとし、日本建築センターによる防災性能評定を受けた構法とする。 特記で指定のある場合は防火区画貫通部以外も上記に準じる。 q.地中配線の施工 (1)埋込み深さおよびそのルートは、外構の計画に支障のないようにする。 (2)掘削部底面は平坦に転圧し、配管あるいは配線後丁寧に埋め戻す。 (3)土かぶりは 600mm以上とする。 (4)管路は鋼管、陶管、ステンレス管とし、金属の場合は防食処理あるいは防食テープ二重巻きとする。 (5)管路内には土砂や水が入らぬよう留意し、通線に先立ち管内をブロワー等で清掃する。 (6)トラフはコンクリート製とし、隙間のないように敷き並べ内部に砂を充填する。 (7)ケーブル接続は管路内やトラフ内では行わずハンドホールを設けて接続する。 (8)建物内への引込みに当たっては、水が管路内や室内に侵入しないように留意する。 |
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